↓の記事の解答です。
- (1)各項のオーダーを評価する問題
- (2)境界層方程式を導出する問題
- (3)境界層内の速度分布を求める問題
- (4)壁面せん断応力がみたす微分方程式を求める問題
- (5)速度境界層厚さδを求める問題
- (6)境界層流れのエネルギー方程式を導出する問題
- (7)温度境界層内の温度分布を求める問題
- (8)境界層厚さの比ξがみたす微分方程式を求める問題
- (9)温度境界層厚さδtを求める問題
- (10)局所ヌセルト数を求める問題
- (11)平均ヌセルト数を求める問題
- (参考)プラントル数と境界層の厚さの比の関係
(1)各項のオーダーを評価する問題
連続の式およびナビエ・ストークス方程式をそれぞれ
とします。式(I)の各項のオーダーは
ここで、この項のオーダー同士は同程度でなければならないのでvのオーダーは
となります。よって連続の式の項のオーダーは両方とも
次に式(II)の各項のオーダーを考えていきます。まず、慣性項のオーダーを考えると
粘性項のオーダーは
最後に式(III)について考えます。慣性項のオーダーを考えると
粘性項のオーダーは
(2)境界層方程式を導出する問題
まず、式(III)について考えます。(1)より式(II)の各項のオーダーは
程度であるとわかります。
から式(III)の中で寄与を考慮すべき項は右辺第1項の圧力項のみであることがわかるので式(III)は
となり、境界層内ではy軸方向の圧力勾配がないことがわかります。次に式(I)は(1)で求めたオーダーより
となって、式(I)と変わりません。次に
より
が成立するので
と近似できます。よって式(II)は
となります。次に圧力項について考えます。主流速度をUとすると境界層の境界付近ではuは主流速度Uに近付くのでy方向の変化はありません。つまり
が成立します。さらに式(IV)より境界層内ではy軸方向の圧力勾配はないため、境界層内の圧力勾配と境界層の境界における圧力勾配は等しくなることがわかります。よって
式(VI)、式(VII)、式(VIII)を考慮して境界層方程式を境界層の境界の主流に適用すると
が成立します。本問では主流速度は常にU∞でx方向によって変更しないので式(VI)は
となって題意の境界層方程式を示すことができました。
(3)境界層内の速度分布を求める問題
(4)壁面せん断応力がみたす微分方程式を求める問題
(5)速度境界層厚さδを求める問題
(6)境界層流れのエネルギー方程式を導出する問題
(7)温度境界層内の温度分布を求める問題
温度分布は
(8)境界層厚さの比ξがみたす微分方程式を求める問題
(9)温度境界層厚さδtを求める問題
(10)局所ヌセルト数を求める問題
これより定数はそれぞれ
(11)平均ヌセルト数を求める問題
(参考)プラントル数と境界層の厚さの比の関係
の関係ですね。
以上で記事は終わりです。今後も伝熱でいい感じの題材があれば記事を書こうと思います。最後まで読んでくれてありがとうございました。