今回は東大院機械工学専攻平成27年材料力学IIを解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
問題を解くのに必要な知識
・ねじりモーメントとせん断応力の関係
・平面応力状態
・ひずみの変換公式
解答本文
ひずみゲージの問題なのでひずみの変換公式
を使います。2021年にも使う問題が出題されていますので覚えておきましょう。今回はせん断応力がある分ちょっとややこしいかもしれません。
(1)ひずみゲージのひずみの値を求める問題
平面応力条件が適用できるのでx方向の垂直ひずみεxはx、y方向の垂直応力をそれぞれσx、σyとすると
y方向の垂直ひずみεyは
せん断応力をτxyとするとせん断ひずみγxyは
となります。角度θだけ傾いたひずみゲージにおけるひずみの値εθは
丸棒に軸荷重Fのみが生じるときはx軸方向の垂直応力σxのみが生じ、垂直応力σyおよびせん断応力τxyは0となります。ここでσxは
となります。よって式(I)~式(Ⅲ)からεx、εy、γxyはそれぞれ
となります。よってひずみゲージaにおけるひずみの値εaは
ひずみゲージbにおけるひずみの値εbは式(Ⅳ)にεx、εy、γxyおよびθ=π/4を代入すると
(2)ねじりモーメントT1の値を求める問題
ねじりモーメントが図のように作用するときP点周りに考えた微小長方形ABCDには下図のようにせん断応力τxyおよび垂直応力σxが作用します。
ここで応力成分の符号について軽く説明しておきます。面の外向き法線ベクトルが軸の正の方向を向くときその面を正の面、負の方向を向くときその面を負の面と呼びます。上の図では面DCと面ADが正の面、面BCと面ABが負の面です。応力成分は正の面では軸の正の方向を向くものを正、負の面では軸の負の方向を向くものを負とします。
今回の設定ではせん断応力τxyは正の面では軸の負の方向、負の面で軸の正の方向を向いているため符号がマイナスとなります。よってτxyは
式(Ⅲ)からせん断ひずみγxyは
式(I)、式(Ⅱ)から垂直ひずみεxおよびεyにはせん断応力τxyが関係しないため、問(1)と同じ値になります。よって
ひずみゲージbにおけるひずみの値εbは式(Ⅳ)に上記のεx、εy、γxyおよびθ=π/4を代入すると
これが-1.50×10^(-4)となるのでT1は単位がN・mmであることに注意して計算すると
と求まります。
(3)主応力および最大せん断応力の値を求める問題
問(2)の時の応力状態を再掲すると下図のようになります。
反時計回りのせん断応力を正とすると、面DCにおいて
面ADにおいて
なのでモールの応力円を描くと下図のようになります。
よって主応力σ1およびσ2は
最大せん断応力τmaxは
と求まります。
以上で解説は終わりです。最後まで読んでくれてありがとうございました。
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