どうもSNです。機械力学の記事がないことに気が付いたので今回は京大院機械理工学専攻平成26年機械力学の1-2を解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
問題を解くのに必要な知識
・回転運動の運動エネルギー
・平行軸の定理
・固有振動モード
解答本文
基本的な問題です。ラグランジュの運動方程式の練習としてはちょうどいいかなと思います。
(1)単振り子の周期を求める問題
角度φを反時計周りにとると接戦方向の加速度は
となるので、接戦方向の運動方程式は
となりますね。
角度φが微小なので
これを用いると式(1)は
となります。これは単振動を表しますね。振動の周期T1は
(2)ラグランジュ方程式で(1)の式を導出する問題
系の運動エネルギーTもポテンシャルエネルギーUも質点についてのみ考えればいいです。まず、下図のようにx軸とy軸をとります。
質点の位置を(x1, y1)とると
なので
となります。よって系の運動エネルギーTは
ポテンシャルエネルギーUは
以上よりラグランジアンLは
となります。よってラグランジュの運動方程式は
となり(1)の場合と同様の運動方程式が得られます。
(3)ばねを含む単振り子の問題
下図のように座標をとります。
質点の位置を(x2, y2)とすると
なので
となります。系の運動エネルギーTは質点の運動エネルギーのみを考慮すればいいので
となります。次にポテンシャルエネルギーUは質点とばねを考慮して
となります。これよりラグランジアンLは
以上よりラグランジュの運動方程式は
と
より
次に
と
より
以上よりφを微小近似していない状態の質点の運動方程式は式(2)および式(3)となります。これらをφを微小として線形近似するとそれぞれ
ここでxとφをそれぞれ
として式(4)および式(5)に代入して整理すると
この系が振動するためには左辺の係数行列が0になる必要があります。なので
が成立し、これよりωは
となるので周期T2は
となります。
(4)ばねを含む剛体振り子の問題
下図のように座標をとります。
剛体なので回転運動の運動エネルギーも考慮する必要があります。回転の運動エネルギーは重心周りの慣性モーメントをIGとすると
です。平行軸の定理よりIGはIを用いて
となります。次に剛体振り子の重心の座標を(x3, y3)とすると
なので
となります。これらより系の運動エネルギーTは
次に系のポテンシャルエネルギーUはばねと振り子を考慮して
これらよりラグランジアンLは
となります。以上よりラグランジュの運動方程式は
と
より
次に
と
より
以上よりφを微小近似していない状態の質点の運動方程式は式(6)および式(7)となります。これらをφを微小として線形近似するとそれぞれ
ここでxとφをそれぞれ
として式(8)および式(9)に代入して整理すると
この系が振動するためには左辺の係数行列が0になる必要があります。なので
が成立します。これを整理すると
となりω^2の2次方程式となるのでこれを解の公式で解くとω^2は
これよりωは
と求まります。この振動系は2つの固有振動数を持つので2つの固有振動モードがあります。
やることは単純でしたが計算ミスがないことを祈ります。以上で今回の記事は終わりです。最後まで読んでくれてありがとうございました。
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