今回は東大院機械工学専攻H16年の伝熱工学を解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
問題を解くのに必要な知識
・フーリエの法則
・熱エネルギーバランス
解答本文
下の2023年の記事でも触れましたが、本問も相変化を伴う伝熱なので類題です。というかほぼやること同じです。こちらの方が最初の設問の分ちょっと難しいかな。ここまで遡って演習してた人は2023年の伝熱は本番で瞬殺できたかもしれません。
(1)氷中の温度θに関する支配方程式を求める問題
下図のように氷中に微小長さdxを考えます。この検査体積についての熱エネルギーバランスを考えていきましょう。ただし、熱量はすべて単位面積あたりで考えるとします。
微小長さにおける熱量の時間変化は
xの位置における熱流束Qxは上向きを正とすると
x+dxの位置における熱流束はdxが微小なことから
エネルギーバランス式は
(熱量の時間変化)=(熱移動による熱量の増加)
となるので
これよりθに関する支配方程式は
となります。次に境界条件はx=0のとき
x=h(t)のとき
となります。
(2)氷の生成速度をθを用いた式で表す問題
下図のように微小時間dt間に水の凝固が進行し、界面がdhだけ移動したとします。
この相変化による熱量変化dQ1は単位面積あたり
となります。ただし、ここで相変化は凝固なので符号はマイナスになることに注意です。水には温度分布がないのでフーリエの法則より、水から界面への伝熱量Q2は
次に界面から氷への伝熱量Q3はフーリエの法則より、上向きを正とすると
微小時間dt間における界面の熱バランス式は
(相変化における熱量の変化)=(熱移動による熱量の変化)
となるので
これに求めたdQ1、Q2、Q3を代入すれば求める氷の生成速度に関する方程式は
と求まります。
(3)氷中の温度が定常のときのθの分布を求める問題
非定常項を無視できるとき、式(I)から
ここで式(Ⅱ)、(Ⅲ)を適用すると積分定数はそれぞれ
これよりθの分布は
と求まります。
(4)氷の厚さを求める問題
θの分布を式(Ⅳ)に代入すると
ここでt=0のときh=x0なのでC3は
これよりhは
と求まります。
以上で解説は終わりです。最後まで読んでくれてありがとうございました。
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