今回は東大院機械工学専攻平成20年材料力学Iを解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
問題を解くのに必要な知識
・薄肉円筒
・モールの応力円
解答本文
薄肉円筒の問題です。補強用円筒をはめ込んでもやることは変わらないので丁寧にやっていきましょう。
(1)中央部における最大主応力を求める問題
z=Lの断面で円筒を切断して、断面より下の部分で力のつり合いを考えます。
z方向の力のつり合いから
が成立するのでσz1は
次に上に示した長さLの円筒をさらに底面の円の中心を通り、底面に垂直な断面で切断した下図の図形を考えます。
さらに下図のように微小部分dθを考えます。この微小部分に生じる内圧の周方向成分は
これをθ=0からθ=πまで積分したものと2t1Lσθ1がつりあうので
これからσθ1は
と求まります。
次に円筒を正面から見たとき、胴部中央部における応力状態は下図のようになります。
面34において
面41において
なのでモールの応力円を描くと下図のようになります。ただし、せん断応力は反時計回りを正としています。
よって最大主応力σ1は
となります。
(2)円周方向および中心軸方向における垂直ひずみを求める問題
平面応力状態のため、円周方向の垂直ひずみεθ1は
中心軸方向の垂直ひずみεz1は
となります。
(3)充填時間の違いによるσθ1の違いを説明する問題
①では断熱して気体を短時間で充填するため、充填後は外部に比べて高温となっています。このため、外部への放熱の影響で温度の低下が生じてしまい、徐々に圧力が低下していきます。
対して②は十分長い時間で熱平衡を保ったまま充填するため、充填後も放熱による圧力低下は生じません。よってこの2つの充填方法による差異を図示すると下図のようになります。
(4)-(a)周方向応力と内圧の関係式を求める問題
z=Lの断面で円筒を切断して後に、底面の円の中心を通り、底面に垂直な断面で切断した下図の図形を考えます。
さらに下図のように微小部分dθを考えます。この微小部分に生じる内圧の周方向成分は
これをθ=0からθ=πまで積分したものと2t1Lσθ1+2t2Lσθ2がつりあうので
なので求める関係式は
と求まります。
(4)-(b)軸方向垂直応力と内圧の関係式を求める問題
z=Lの断面で円筒を切断して、断面より下の部分で力のつり合いを考えます。補強用円筒は両端が塞がれていないので
これと容器と補強用円筒の間の摩擦は無視できることからz方向の力のつりあいより
これより求める関係式は
となります。
(4)-(c)軸方向応力と周方向応力間の関係式を求める問題
補強用円筒の周方向ひずみεθ2は
なので
となります。これが
と等しくなるので求める関係式は
となります。
(4)-(d)σθ1=σz1とするためのt2を求める問題
式(I)および式(II)においてσθ1=σz1として連立するとt2は
となります。
以上で解説は終わりです。最後まで読んでくれてありがとうございました。
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