今回は東大院機械工学専攻平成26年材料力学の大問IIを解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
この問題を解くのに必要な知識
・薄肉円筒
・モールの応力円
解答本文
薄肉円筒の問題です。自重を考慮する点に注意しましょう。
(1)A点における応力成分を示す問題
z=Lの断面で円筒を切断して、断面より下の部分で力のつり合いを考えます。
この円筒の断面積および体積はt≪rなのでそれぞれ
となります。よってz方向の力のつり合いは自重を考慮すると
となるので、σzは
次に上に示した長さLの円筒をさらに底面の円の中心を通り、底面に垂直な断面で切断した下図の図形を考えます。
さらに下図のように微小部分dθを考えます。この微小部分に生じる内圧の周方向成分は
これをθ=0からθ=πまで積分したものと2tLσθがつりあうので
これからσθは
と求まります。
せん断応力は生じないので、xyz座標系における応力成分は
(2)A点における主応力および主せん断応力を求める問題
問(1)よりxyz座標系における応力成分は
となります。これを基にモールの応力円を描いていきましょう。まず、
のとき、モールの応力円は下図のようになります。ただし、せん断応力は反時計回りを正としています。
これより主応力σ1、σ2および主せん断応力τ1はそれぞれ
となります。次に
のとき、モールの応力円は下図のようになります。
これより主応力σ1、σ2および主せん断応力τ1はそれぞれ
となります。
(3)円筒の限界長さを求める問題
内圧が作用しないので最大の引張応力σmaxは
破損しない限界長さの時
が成立するので限界長さは
となります。これに与えられた値を代入すると材料が石英のとき限界長さLqは
材料がグラフェンのときの限界長さLgは
と求まります。
以上で解説は終わりです。最後まで読んでくれてありがとうございました。
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