今回は東大院機械工学専攻2023年材料力学Iを解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
問題を解くのに必要な知識
・断面二次モーメント
・断面二次極モーメント
・せん断応力とトルクの関係
・曲げモーメントと応力の関係
・モールの応力円
解答本文
曲げ、ねじり、軸荷重が同時に作用する軸の組み合わせ応力状態に関する問題です。そこまで難しくない問題なので丁寧に解いていきましょう。
(1)断面二次モーメントおよび断面二次極モーメントを求める問題
まず、半径R/2の穴は考えずに半径Rの円に対して断面二次モーメントおよび断面二次極モーメントを考えていきます。下図のように座標値yの位置に微小部分dyを考えます。
dyが微小のときこの部分は長方形とみなせるので面積dAは
となります。なのでz軸に対する断面二次モーメントIzは
ここでyを
と置換すればdyは
となり、積分区間がr :0→Rからθ :0→π/2に変わるので、断面が半径Rの円のときIzは
と求まります。
次に下図のように座標値zの位置に微小部分dzを考えます。
dzが微小のときこの部分は長方形とみなせるので面積dAは
となります。なのでy軸に対する断面二次モーメントIyは
これは明らかにIzに等しいのでIyは
となります。
最後に以下のように円の中心からrの位置に微小部分drを考えます。
drが微小のときこの部分の面積dAは
となります。なので断面二次極モーメントIpは
と求まります。以上より片持ち梁ABの断面のIz、Iy、Ipはそれぞれ
(2)点Aにおけるσxおよびτxyを求める問題
片持ち梁を下の図のように座標値xの断面で切断して断面より左側の部分でモーメントのつり合いを考えます。
ただし、この問題ではy軸が上向き正になるようにとられているので曲げモーメントは梁の上側が凸となるモーメントを正としています。
断面に生じるねじりモーメントをTy、曲げモーメントをMyとすると断面より左側の部分においてモーメントのつりあいよりTyおよびMyは
よってx=0の位置における曲げモーメントの値M0は
Tyはxの値によらないのでせん断応力τxyは
に求めた値を代入すれば
と求まります。次に点aにおける曲げ応力σMは
より
と求まります。x方向の引張荷重Pによって断面に生じる引張応力σPは
以上よりσxおよびτxyは
となります。
(3)点aにおける最大主応力および最大せん断応力を求める問題
図1-3の長方形の4点を下図のようにA、B、C、Dとします。
面DCにおいて
面DAにおいて
なのでモールの応力円を描くと下図のようになります。ただし、せん断応力は半時計周りを正としています。
これより最大主応力σ1および最大せん断応力τ1は
と求まります。
以上で解説は終わりです。最後まで読んでくれてありがとうございました。
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