今回は東大院機械工学専攻2023年熱力学Iを解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
問題を解くのに必要な知識
・閉じた系のエクセルギー
・定常流動系のエクセルギー
解答本文
エクセルギーに関する問題です。閉じた系および定常流動系のエクセルギーは定義から導出できるようにしておきましょう。気が向いたらこの記事でも書こうと思います。
(1)出口と入口の比エンタルピーの差を求める問題
入口における比エンタルピーをh1、出口における比エンタルピーをh0とするとその差は
となります。rT≧1より比エンタルピーは減少するとわかりますね。
(2)出口と入口の比エントロピーの差を求める問題
入口における比エントロピーをs1、出口における比エントロピーをs0とするとその差は
となります。
(3)定常流動系のエクセルギーを求める問題
この系のエクセルギ―efは
と求まります。
(4)閉じた系のエクセルギーを求める問題
周囲圧力に対してする仕事は含めないものとするため、この系のエクセルギーecは
問(3)で求めたエクセルギーefとの差をとると
となります。これの意味を考えていきたいところですが、この形だとなんのこっちゃわからないので別の形で考えます。
比エンタルピーhの定義から
なのでefはこれを用いれば
と表せます。ここでecは
なのでこれらの差をとれば
となります。この形なら意味がわかりやすいですね。p1v1は気体が圧力p1、比体積v1で入口から流入することによって系にする仕事であり、p0v0は気体が圧力p0、比体積v0で出口から流出することによって外部にする仕事です。つまり、この二つは気体の流動によって生じる仕事です。
閉じた系では気体の流入・流出がないため、この流動による仕事は生じませんが、定常流動系では気体が系に流入・流出するためこれらを考慮する必要があります。よって求めたエクセルギーの差は流動による仕事を意味しているとわかります。
以上で解説は終わりです。最後まで読んでくれてありがとうございました。
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