今回は東大院機械工学専攻2021年材料力学IIを解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
問題を解くのに必要な知識
・組み合わせ梁
・曲げモーメントと応力の関係
解答本文
組み合わせ梁の問題です。曲げ応力の式の導出の過程をしっかり理解していれば解けると思います。
(1)梁の断面の垂直ひずみおよび応力を求める問題
対称性から中立面はy=0になります。垂直ひずみを求めるために梁の中から長さdxのABCDを切り出して考えます。図(b)の微小部分に注目すれば変形後の中立面が形成する半径R+2hの扇形と扇形OEFは相似になるので
が成立します。中立面が形成する円弧をとすると
となります。中立面は長さが変化しないのでは変形前の長さdxに等しくなります。よって座標値yの位置にある面EFにおける垂直ひずみεyは
となります。これとフックの法則から垂直応力σyは
となります。
(2)梁の曲げ剛性を求める問題
横断面に下図のような高さdyの微小面積dAを考えます。
垂直応力による微小面積内のモーメントdMは
となります。これを面積分した値が断面内の曲げモーメントMになるため
これよりこの合成梁の曲げ剛性E’I'は
となります。
(3)中立面の位置、垂直ひずみ、垂直応力を求める問題
垂直ひずみを求めるために梁の中から長さdxのABCDを切り出して考えます。図(b)の微小部分に注目すれば変形後の中立面が形成する半径R+h+h0の扇形と扇形OEFは相似になるので
が成立します。中立面が形成する円弧をとすると
となります。中立面は長さが変化しないのでは変形前の長さdxに等しくなります。よって座標値yの位置にある面EFにおける垂直ひずみεyは
となります。これとフックの法則から垂直応力は
となります。
次に接合面から中立面までの距離h0を求めるために横断面に下図のような高さdyの微小面積dAを考えます。
微小面積内の合力は
これを面積分すれば断面内の合力となります。軸方向の外力がないことから
が成立します。ここで
なのでこの式は
となります。これからh0は
と求まります。これをすでに求めた垂直ひずみおよび垂直応力の式に代入するとそれぞれ
(4)曲率半径と曲げモーメントの関係式を導く問題
横断面に下図のような高さdyの微小面積dAを考えます。
垂直応力による微小面積内のモーメントdMは
ここでモーメントは中立軸からの距離で計算しています。これを面積分した値が断面内の曲げモーメントMになるため
が成立します。ここで
なので曲率半径Rと曲げモーメントMの関係式は
と求まります。
以上で解説は終わりです。最後まで読んでくれてありがとうございました。
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