意識他界系大学院生のクソブログ

院試が終わったので体験談だったり解説をゆったりと書いていこうかなと思っています。院試関係ない日記も書きます。

【院試解答】東大院機械工学専攻H27熱力学I

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今回は東大院機械工学専攻平成27年熱力学の大問Iを解説したいと思います。

ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。

なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。

問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。

 

 

問題を解くのに必要な知識

スターリングサイクル

・等温過程

・等積過程

エントロピー

・湿り蒸気

解答本文

スターリングサイクルの問題ですね。(1)まではすごく基本的な問題ですので完璧に解けるようにしておきましょう。

サイクルの特徴を把握しておくのは当然として、各過程の特徴をしっかり把握して熱量や仕事をスラスラと求められるようにしておけばこの手の問題はサービス問題と化すので頑張りましょう。僕は各サイクルの熱効率と各過程における熱量と仕事の式を公式として覚えてしまうまで練習しました。

(2)からは気液相変化しますが湿り蒸気についての知識があればS1aを求めるところまでは難なく解けると思います。

(1)-1状態1および状態3における圧力を求める問題

理想気体の状態方程式より状態1と状態3において

がそれぞれ成立するのでP1およびP3は

(1)-2各過程における熱量と仕事および熱効率を求める問題

状態1から2は等温過程なので熱力学第1法則から

が成立します。ここでW12およびQ12は

となります。この過程は等温圧縮過程なので熱量、仕事ともに負になりますね。

次に状態2から3は等積過程なので

となり、Q23は熱力学第1法則から

サイクルの熱効率ηはサイクルから取り出せる仕事をW、サイクルの吸熱量をQとすると

となります。なのでW、Qを求めていきましょう。

今回のサイクルではQ41は再生機に貯えられて加熱時のQ23として使用されます。この再生効率が100%なので

となり、サイクルの正味の吸熱量Qは

次にWは

なので熱効率ηは

となります。

(参考)このサイクルの熱効率について

状態3から4は等温過程なので熱力学第1法則から

が成立するので熱効率ηは

ここでQ34は

なのでこれと

を代入すれば熱効率ηは

となってカルノーサイクルと等しくなります。

(1)-3エントロピー変化を求める問題

状態1から2の過程におけるエントロピー変化をΔS12とすると、この過程は等温過程よりΔS12は

となります。次に状態2から3の過程におけるエントロピー変化をΔS23とすると、この過程は等積過程よりΔS23は

となります。これらよりS2、S3はそれぞれ

と求まります。

 

(2)-1気液相変化ありの時のP-V線図を描く問題

何回も書いてますが状態1から2は等温過程なので当然状態1aにおいても温度はTLです。また、1aにおいて作動流体は飽和蒸気なのでこの時の蒸気圧はPsat(TL)となります。よって状態1aにおいて理想気体の状態方程式より

が成立します。よってV1aは

 

次にP-V線図を描くために各過程において考えていきましょう。

状態1から1aまでは気相のみで等温圧縮するので双曲線となります。

状態1aから2までは作動流体の一部が凝縮して、湿り蒸気の状態で等温圧縮するのでP-V線図上では水平線となります。

状態2から3までは等積加熱なのでP-V線図上では垂直線となります。3において作動流体は乾き飽和蒸気なので飽和蒸気圧曲線上にあることに注意しましょう。

状態3から4までは気相のみで等温膨張するので双曲線となります。

状態4から1までは等積冷却ありなのでP-V線図上では垂直線となります。

以上を踏まえるとP-V線図は下図のように描けます。

 

(2)-1気液相変化ありの時のエントロピー変化を求める問題

状態1から1aの過程におけるエントロピー変化をΔS1'とすると等温過程なので

次に状態1aから2の過程におけるエントロピー変化ΔS2’は凝縮した作動流体のモル数をn'とすれば

と表せます。ここで状態2における気相に対して理想気体の状態方程式より

が成立するのでn'は

これよりΔS2’は

となります。なのでS1aおよびS2は

と求まります。

 

以上で解説を終わります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 


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