今回は東大院機械工学専攻平成21年の熱力学を解説したいと思います。 ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。 なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。 問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。それではさっそくやっていこうと思います。
問題を解くのに必要な知識
・断熱変化
・定圧過程
・熱力学第1法則
・カルノーサイクル
解答本文
(1)断熱変化での仕事を求める問題
断熱変化より状態1の容積をv1とすると
が成立するのでpは
となります。よって気体に加えられた仕事は
と表せます。また、ここで1→2は断熱変化なので
が成立し、これより
なのでは
と求まります。
(2)放熱量と仕事の比を求める問題
放熱量は
となり、これと(1)より
が求まります。
(3)エントロピー変化を求める問題
定圧過程よりエントロピー変化は
となります。
(4)最大仕事を求める問題
熱力学第1法則より
が成立します。ここでT1<T2より
なのでは
となります。
(5)シリンダーと浴槽内を合わせた全エントロピー変化を求める問題
浴槽内の液体が受け取る熱量はシリンダー内の気体が放出した熱量に等しくなります。浴槽内の液体の温度は一定なのでは
と求まります。よってはこれと(3)より
です。
(6)最大仕事を求める問題その2
浴槽を高温熱源、周囲を低温熱源とする熱機関のうち最大仕事を発生するものはカルノーサイクルなのでT-S線図は次のようになります。
ここで上の図のQLは低温熱源に排出する熱量です。T-S線図における色付き部の長方形の横の長さをΔS(>0)とすると
が成立するのでΔSは
となります。最大仕事は長方形の面積と等しくなるから
となります。
(7)得られた結果から計算するだけの問題
は(6)より
となるのでは
と求まります。また、は(5)より
であるとわかっているのでこれらを比較して考えると
が成立します。
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