今回は東大院機械工学専攻平成28年熱力学の大問Iを解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
問題を解くのに必要な知識
・ブレイトンサイクル
・ブレイトン再生サイクル
・断熱過程
・等温過程
解答本文
さてこの問題ですがブレイトンサイクル及びブレイトン再生サイクルの問題ですね。
それでは解いていきたいと思います。
(1)T-s線図およびp-v線図を描く問題
これはもうめんどくさいんでそのまま線図載せるだけにします。このサイクルのT-s線図およびp-v線図は次のようになります。
解答には1→2は断熱圧縮であるから状態変化は
に従うので図のようになる~とかをそれぞれの過程について適当に書いておけばいいと思います。
(2)断熱と等温の仕事を比較する問題
1→2は断熱圧縮なので
つまり
が成立するので、T2は
となります。また、
も成立するのでvは
となります。これらとブレイトンサイクルは流動系であることに注意すると圧縮機のする仕事は
となります。
次には等温圧縮なので
が成立します。これよりvは
となるので圧縮機のする仕事は1→2の場合と同様にして
となります。ここで等温圧縮と断熱圧縮の関係式はそれぞれ
となります。これをそれぞれpについて解くと
となります。これらと比熱比κが1より大きいことにより断熱圧縮の方がp-v線図では勾配が大きくなることがわかります。よって仕事をp-v線図上に図示するとそれぞれ下図のようになります。
大きさを比べるとの方が大きくなります。
(3)エントロピー変化を求める問題
2→3は定圧過程なのでエントロピー変化は
となります。
(4)熱効率を求める問題
作動ガスが受け取る熱量は
となり、作動ガスが放出する熱量は
となります。ここで3→4は断熱過程なので
が成立します。よってT4は
となるのでは
と表せます。これらより熱効率ηは
となります。
(5)熱交換器のエントロピー生成量を求める問題
T-s線図上にとを図示すると次のようになります。
熱交換機のエントロピー変化をとするとは
となります。次に高温ガス、低温ガスの温度分布を図示します。
ここで原点をO、T4からPosition軸に下した垂線の足をAとし、OA=lとして、さらに直線の傾きをaとするととはそれぞれ
と表せます。これらよりεとはそれぞれ
と表せます。ただし
としました。Mが大きくなるとエントロピーが増加することがわかるのでこの増減を調べればいいとわかります。ここで
なのでaの定義域は
となります。のときMをaで微分すると
となるので
の解は
となります。またdM/daをの範囲で図示すると下のようになり、これよりMの増減表を書くと次のようになります。
よってエントロピー生成量は
となります。
(6)計算するだけの問題
ε=1のときとはそれぞれ
となります。温度効率が1ということは熱交換が理想的に行われるので正味の吸熱量、放熱量はそれぞれ
となります。式(I)、(II)よりこれらは
と表せるので熱効率η'は
と求まります。
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