意識他界系大学院生のクソブログ

院試が終わったので体験談だったり解説をゆったりと書いていこうかなと思っています。院試関係ない日記も書きます。

【院試解答】東大院機械工学専攻H28材料力学II

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今回は東大院機械工学専攻平成28年材料力学の大問IIを解説したいと思います。 ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。 なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。 問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。それではさっそくやっていこうと思います。

 

 

問題を解くのに必要な知識

・断面二次モーメント(計算法)

・梁断面のひずみ

・たわみの微分方程式

・梁のたわみ

・曲げ応力の式

ポアソン

 

解答本文

(1)断面二次モーメントを計算する問題

下図のように高さdzの微小面積dAを考えます。

f:id:bloodystream:20201219014421p:plain

dAは

f:id:bloodystream:20201219014452p:plain

なので断面二次モーメントの定義よりIは

f:id:bloodystream:20201219014523p:plain

と求まります。

(2)梁のひずみ式を導出する問題

この記事の手順(I)と同様に考えます。扇形ONN1'と扇形OPQ'が相似であることからεxは

f:id:bloodystream:20201219014718p:plain

となります。

(3)たわみの微分方程式を導出する問題

これもこの記事の手順(2)と同様に微小面積を考えてそこに生じる応力による合モーメントがMになるとすれば

f:id:bloodystream:20201219014825p:plain

が求められます。あとはこれと与えられている

f:id:bloodystream:20201219014850p:plain

と連立すれば

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が導出できます。

(4)梁のたわみを求める問題

重力を梁全体に作用する分布荷重として考えて解いていきます。梁に生じる重力はρa^2*Lgなので分布荷重をqとするとq=ρa^2*gとなります。まず、下図のように左端に生じる反力をPA 、右端に生じる反力をPBとします。

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力のつり合いより

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モーメントのつり合いより

f:id:bloodystream:20201219015228p:plain

となるのでこれらよりPAとPBは

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と求まります。

次に座標値xの断面に生じるせんだん力および曲げモーメントをそれぞれFx, Mxとすると、下図の断面より左の部分について力のつり合いとモーメントのつり合いを考えればMxは

f:id:bloodystream:20201219015410p:plain

となります。

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よってたわみの微分方程式は(3)より

f:id:bloodystream:20201219015519p:plain

となり、これを積分定数をC1, C2として積分していくと

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となりますこれに境界条件

f:id:bloodystream:20201219015650p:plain

を適用して積分定数をそれぞれ求めると

f:id:bloodystream:20201219015719p:plain

となるのでたわみ曲線は

f:id:bloodystream:20201219015753p:plain

と求まります。これに

f:id:bloodystream:20201219015820p:plain

を代入すると

f:id:bloodystream:20201219015844p:plain

と最終的な答えが求まります。

(5)曲げ応力のz方向分布を求める問題

これもこの記事の式のyをzに置き換えた

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を用います。x=L/2での曲げモーメントは

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にx=L/2を代入すれば

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となるので、これと

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を代入してσxは

f:id:bloodystream:20201219020139p:plain

と求まります。

(6)垂直ひずみのz方向分布を求める問題

垂直応力はx方向のσxのみ生じているのでx方向の垂直ひずみεxはフックの法則より

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となるのでεyは

f:id:bloodystream:20201219021604p:plain

となります。

 

 

以上で解説は終わりです。計算量も少なく基本問題という感じでしたね。これくらいはスラスラ解けるようになることが望ましいです。(2)のような導出は他にも出題例があるので練習しておくといいと思います。それでは今回も見てくれてありがとうございました。

 


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