どうもSNです。今回は梁の曲げ応力について書いていきたいと思います。
今回の記事のゴール
今日は梁の曲げ応力の式
の導出について書きたいと思います。
導出の手順
今回は
(I) 曲げによる梁のひずみを求める。
(II) ひずみから応力を求め、曲げモーメントと応力の関係を求める。
の2つの手順に従って式(1)を導いていきます。
(I)曲げによる梁のひずみを求める。
まずは手順(I)からです。梁が曲げモーメントによってどのように変形するかを考えていきます。下図(a)のように右向き正のx軸および下向き正のy軸を導入し、梁の中から長さdxのABCDを切り出して考える。
このABCDが曲げモーメントMを受けて図(b)のように円弧に湾曲するとします。ここで梁の上面ADは変形前より縮み、下面BCは変形前よりも伸びていることがわかります。このような変形をするときABCD内部の上面から下面に至るどこかに長さが変わっていない面が存在するはずでこの面を中立面と言います。上の図ではこれを点線で表していてy軸はこの中立面を基準としています。
曲げ変形と座標系の設定をしたので次に座標値がyの面EF(上図で赤の線で表されている部分)の変形に注目します。変形後の中立面が形成する円弧の曲率半径をRとすると、図(b)の微小部分に注目すれば変形後の中立面が形成する半径Rの扇形と扇形OEFは相似になるので
となります。中立面が形成する円弧をとすると
となります。中立面は長さが変化しないのでは変形前の長さdxに等しくなります。よって座標値の位置にある面EFにおけるひずみεは
となります。
(II)ひずみから応力を求め、曲げモーメントと応力の関係を求める。
次に手順(II)です。曲げ変形によるひずみを求めることができたので次は梁の内部の応力を考えて曲げ応力の式
を導いていきたいと思います。
ここで梁の横断面に下図のような高さdyの微小面積dAを考えます。
この微小面積内の応力はdyを微小とすれば均一とみなせ、フックの法則より座標値がyの位置における曲げ応力σは
となります。この応力による微小面積内のモーメントdMは
となります。これを面積分した値が断面内の曲げモーメントMになるため
となります。ここで
を断面二次モーメントといいます。これを用いると式(3)は
と表せます。これを式(2)に代入すると
となり曲げ応力の式が得られます。
(参考)
式(2)より曲げ応力はy>0のとき正、y<0のとき負の符号となります。引張を正、圧縮を負とすれば変形の様子と整合性がとれていることがわかります。