今回は東大院機械工学専攻平成25年流体力学の大問IIを解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
この問題を解くのに必要な知識
・運動量の法則
・ハーゲン・ポアズイユ流れ
・流量と流速分布の関係
・連続の式
解答本文
まず(1)~(3)ですがこれはハーゲン・ポアズイユ流れの記事に書いてある手順ですぐに解けます。
(1)運動量の法則を用いる問題
この記事の3つめの方法(記事中では③となっていて下の方にありますが、図は①の方法のものを流用しているので参照する際は多少記事内を行ったり来たりする必要があるので注意してください)において円柱要素の長さをdx→Δx,左の断面に生じる圧力をpa,右の断面の生じる応力をpbと置き換えてそのままこの方法を用いれば終わりでτは
となります。
(2)微分方程式を解くだけのサービス問題
誘導の通りニュートンの粘性法則を用いて
が得られるので、これを素直に積分した後はこの記事の方法①の後半と同様の境界条件を用いて積分定数を決定すれば速度分布は
と得られます。これはpb-pa<0を考慮して
としてもいいですね。ちなみの僕はこれを採用したので今後これを用いて計算していきます。
(3)流速分布から流量を求める問題
(2)の結果を用いてこの記事と同様の方法で流量Qを計算して終わりです。Qは
となります。これは先ほどから貼ってる記事に出てくるハーゲン・ポアズイユの式
そのものですね。(4)からはこれを用います。
(4)連続の式を用いる問題
さて、(3)までは過去の記事でやった内容ということもあり手抜きの極みでした。本番はここからですね。分岐部における圧力をpT、管I、管II、管IIIの半径をそれぞれR1,R2,R3とするとQ1はハーゲン・ポアズイユの式を用いて
となります。同様に管II、管IIIにおける流量はそれぞれこれをQ2,Q3とすると
となるので、連続の式Q1=Q2+Q3にこれらを代入すると
が成立します。これをpTについて解けば
が得られるのでこれを式(1)に代入すれば
となってp1とQ1の関係が得られます。
(5)得られた結果を微分するだけの問題
(4)の結果にA2=A3=Sを代入するとp1は
となりますね。圧力損失が最小となるということはp1が最小になるということなので
が成立します。これより
が得られます。ここで条件A1>2Sより
なので
となって
が成立するときのxBは
と求まります。これが圧力損失を最小にする分岐点のx座標です。
というわけで今回はH25年度の流体力学の大問2を解きました。管の長さが√で与えられたりゴツそうな見た目とは裏腹にやることは結構基本に忠実でしたね。これ結構院試あるあるなので見た目がいかつくても諦めないで考えてみてくださいね!
それでは以上でこの記事は終わりです。見てくれてありがとうございました!
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