どうもSNです。今回は京大院機械理工学専攻平成29年流体力学の1を解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
問題を解くのに必要な知識
・連続の式
・ニュートンの粘性法則
・ハーゲン・ポアズイユ流れ
解答本文
ナビエ・ストークス方程式の項をバシバシ消していくタイプの問題です。東大院でも以下の記事のように似たような問題が出ています。やることは単純ですが計算量は割と多かったりするので丁寧に解きましょう。
(1)vzがzに依存しないことを示す問題
を(1.1)式に代入すると
となります。これよりvzはzに依存しないことがわかります。
(2)圧力がr、θによらないことを示す問題
定常であることから
これと
より(1.2)、(1.3)式はそれぞれ項を削除して
となります。これより圧力Pはrとθには依存しないことがわかります。
(3)z方向の運動方程式を求める問題
定常なので
流れは軸対称なので
これらと
より(1.4)式は
と簡略化されます。これがこの流れのz方向の運動方程式となります。
(4)Pがzに対して線形であることを示す問題
(3)で得たz方向の運動方程式を変形すると
となります。ここで問い(1)よりvzはzによらないので上の式の左辺はzを含まない関数になります。これよりPはzに対して線形に変化することがわかります。
(5)速度分布とせん断応力分布を求める問題
問い(4)より圧力はzに対して線形に変化するので圧力勾配は
と表わせます。よって式(1)はこれを用いて
となります。ここで境界条件
を適用すると
が成立するのでこれらから積分定数をそれぞれ求めると
となり、これらを式(3)、式(4)に代入すればそれぞれ
となってvzのr方向分布が得られました。次にせん断応力τの分布はニュートンの粘性法則
に式(5)を代入すれば
と求められます。
(6)壁面に作用する力Fを求める問題
環状部壁面には流体の粘性によって力が及ぼされます。この合計がFとなるわけですが、今回の問題では圧力勾配による力とこれがつり合っています(発達した流れだから)。これは式(1)を見てもわかりますね。圧力が作用するのは長さLの環状部分の両端のドーナツ状の端面でこの面積は
なのでFはこれに圧力降下量ΔPをかけて
となります。これよりFとvwallは無関係であるとわかります。式(7)から考えることもできますがこっちの方がずっと楽にできると思います。十分発達した流れではつり合いが発生しているということを頭に入れておきましょう。
(別解)
一応Fを式(7)を用いて求めておきます。式(7)より内側および外側壁面におけるせん断応力はそれぞれ
これらが作用する壁面の面積はそれぞれ2πκRL、2πRLなのでFは
計算がだるいしミスしそうなのでやっぱ力のつり合いからやったほうが楽ですね。
(7)κ→0のときの流れを考える問題
式(6)においてκ→0とすれば
となります。この流れはハーゲン・ポアズイユ流れと言って速度分布が放物線となり、流量Qが
となって圧力勾配と円管の半径の4乗に比例します。このブログでも記事を書いているんで参考にしてください。
以上で今回の記事は終わりです。最後まで読んでくれてありがとうございました。
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