今回は東大院機械工学専攻平成30年材料力学の大問Iを解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
この問題を解くのに必要な知識
・薄肉球殻
・薄肉円筒
解答本文
さて、この問題ですがやることは単純です。よくある薄肉円筒の問題と同じように解いていけます。問題を解く前に半球殻部分と円筒部分の体積を求めておきましょう。
半球殻の体積は微小項を無視すると
となり、円筒部分の体積は
となります。これらがわかったので本格的に問題を解いていきましょう。
(1)容器内部が空の場合について考える問題
直胴部における応力成分を求めます。まず(1)~(3)において明らかにせん断応力は生じていないので生じる応力は軸方向と円周方向の二つです。それぞれ順番に求めていきましょう。
まず軸方向の応力成分を求めます。下図のように座標値xの断面で直胴部を切断して上下方向の力のつり合いを考えます。
これより軸方向の応力成分σxは
となります。
次に円周方向の応力成分です。直胴部を座標値xとx+dxの断面で切断してこれをさらに中心を通る鉛直面で切断します。
水平方向の力のつり合いを考えると容器内に内圧は生じていないので円周方向の応力σyは
となります。あとはこれを図示するだけです。円周方向の応力成分は0なので省略して軸方向の応力分布だけを図示すると下図のようになります。
(2)容器内に流体を入れた場合について考える問題
応力成分を考える前に容器内の流体の体積を求めておきましょう。
半球殻部分に蓄えられる流体の体積は
となります。次に直胴部に蓄えられる流体の体積は
となります。
0≦x≦hの部分とh≦x≦Lの部分で応力成分が異なるので分けて考えます。
0≦x≦hの部分について
まず軸方向の応力を考えます。(1)と同様に座標値xの断面で直胴部を切断します。
ただしここで下図のように流体はx=hの位置まですべて切り出します。
上下方向の力のつり合いを考えると
となるので軸方向の応力は
となります。
次に円周方向の応力成分を考えます。(1)と違い容器内の流体によって内圧が生じるのでこれを求めておきましょう。座標値xの位置での内圧pxは下図のように流体の座標値xの断面より上の部分で力のつり合いを考えると
となります。
(1)と同様に直胴部を座標値xとx+dxの断面で切断してこれをさらに中心を通る鉛直面で切断します。水平方向の力のつり合いを考えると
となるので円周方向の応力は
となります。
h≦x≦Lの部分について
軸方向の応力は0≦x≦hの部分と同じで
となります。円周方向の応力は内圧が生じないので0となります。
これらを図示すると下図の様になります。
(3)容器が破壊しない条件を求める問題
前述の通りせん断応力は生じていないので応力の最大値は円周方向か軸方向の応力の最大値となります。流体が容器いっぱいに入っているときの応力成分は(2)の結果においてhをLと置き換えれば
となります。軸方向成分の最大値はx=Lで生じ、その値は
となります。円周方向成分の最大値はx=0で生じ、その値は
となります。容器は半球殻の部分で壊れないものとするので容器の破壊が発生しないとき
が成立すればいいことになります。よってこれをみたすtの最小値は
となります。
解説は以上となります。今後はこんな風にゆったりと解説を書いていこうかなと思ってます。解いてほしい問題があったらリクエストください。(そこまで頭が良くないので解けるとは限りませんが)
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