今回は東大院機械工学専攻平成24年流体力学IIを解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
問題を解くのに必要な知識
・質量保存則
・運動量の法則
解答本文
この問題のメインは(1)だと思っています。速度のy方向成分がある運動量の法則は見なれないですが、落ち着いて基本に忠実に処理しましょう。面白い設定なので演習する価値はある問題だと思います。(2)は流体というかほぼほぼ幾何の問題です。難しく見えるかもしれませんが見かけによらずやることは単純なので冷静にやっていきましょう。本番でも見た目の割に簡単ということはありえるのでぱっと見のえぐさで敬遠せずに一回目を通すといいと思います。
(1)翼に働く抗力および揚力を求める問題
検査面の左上の点をAとして反時計回りに順にB、C、Dとします。面ABから流入する質量流量mABは
面CDにおいてx方向の速度成分uは対称性より0≦yのみを考えると
となります。なので面CDから流出する質量流量mCDは
上下面から流出する質量流量をmとすると質量保存則より
が成立するのでmは
となります。これは三角形の面積にρをかけたものとして求めてもいいです。
次に運動量の出入りを考えます。面ABから流入するx方向の運動量MABは対称性を考慮すると
面CDから流入するx方向の運動量MCDは
となります。質量流量mはx方向にu0の速度成分を持って検査体積から流出するのでmが流出させる運動量Mは
となります。二次元翼に働く抗力FDを右向きとすると反作用として流体は-FDの力を受
けます。なのでx方向の運動量の法則は
となります。これよりFDは
次にFLを求めます。二次元翼に働く揚力FLを上向きとすると流体は反作用としての力-FLを受けます。これと上下面からの流入出による寄与が無視できること、面ABから流入する質量流量はy方向の速度成分をもたないことからy方向の運動量の法則は対称性を考慮すると
となります。ここで右辺に-がついているのは流量を正とするためです。また、速度成分vは対称性から0≦yのみを考えると
となるのでこれからFLは
と求まります。
(2)(a)揚力の回転に寄与する成分を求める問題
図2-5から幾何的に
これと
よりFTは
と求まります。
(2)(b)微小要素に働くトルクdTを求める問題
FTは単位幅当たりで考えているので、微小要素に働く回転に寄与する力の大きさは
となります。よってトルクdTは
ここで幾何的な関係から
また、
より
なので、これらより
これを用いると式(I)は
(2)(c)風車の出力Pを求める問題
一枚の翼を回転させるトルクTは式(II)をr=R0からr=R1まで積分したものとなるので
となります。風車の出力Pは翼がN枚あることに注意すれば
と求まります。
以上で解説は終わりです。最後まで読んでくれてありがとうございました。
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