意識他界系大学院生のクソブログ

院試が終わったので体験談だったり解説をゆったりと書いていこうかなと思っています。院試関係ない日記も書きます。

【院試解答】東大院機械工学専攻H30流体力学I

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今回は東大院機械工学専攻平成30年流体力学の大問Iを解説したいと思います。

ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。

なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。

問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。

 

 

問題を解くのに必要な知識

・連続の式

ベルヌーイの定理

・運動量の法則

 

解答本文

(3)までは基本的な問題なので解けるようにしましょう。合格するためにはここまでは確実にできる必要があります。ポンプが入ってからはいきなりレベルが上がるのでできなくてもいいかなと思います。僕も正直ポンプが入って以降は自信がないです。

(1)連続の式を用いる問題

連続の式より

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なのでU1は

f:id:bloodystream:20210602060406p:plain

となります。

 

(2)ベルヌーイの定理を用いる問題

破線の流線に沿って流れる流体の損失は無視できるのでベルヌーイの定理より

f:id:bloodystream:20210602060647p:plain

が成立します。(1)の結果を用いればP1は

f:id:bloodystream:20210602060747p:plain

となります。

 

(3)運動量の法則を用いる問題

検査体積1-2-3-4-1内で運動量の法則を考えます。

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境界1-2から検査体積内に流入する運動量は

f:id:bloodystream:20210602060938p:plain

境界3-4から流出する運動量は

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一定速度で牽引するということは加速度が0ということなので力のつり合いが成立します。つまり流体の流れによって物体が受ける力がFに等しくなります。このとき物体は流体から右向きにFの力を受けるので、流体が物体から受ける力は作用反作用の法則より-F(左向き)となります。なのでx方向の運動量の法則は

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となります。ただし、ここで境界3-4の圧力は一様と仮定してよいという条件からP1を採用しました。これに式(1)および(2)を代入してFを求めると

f:id:bloodystream:20210602061239p:plain

この力によって物体を一定速度U0で牽引するので必要な単位時間あたりの仕事W1は

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となります。

 

(4)U2、U3を求める問題

下図のようにポンプM前に境界5-6を考えます。

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また、境界3-4での圧力をP2とします。境界5-6までは平板間の境界層の影響が無視できることとポンプの噴射の影響がないことより断面内流速は等しいと考えられます。なので境界5-6での流速をU5-6とすると連続の式から

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なのでこれよりU5-6は

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となります。次に、破線の流れにおけるベルヌーイの定理よりポンプが設置されている流路の入り口の圧力をP5-6とすると

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が成立します。次に、ポンプが流体に与える力を求めます。流体のポンプ位置での速度をVとします。破線の流れ上のポンプ直前の点(圧力p^-、速度V)と境界5-6上の点においてベルヌーイの定理を適用すると

f:id:bloodystream:20210602063022p:plain

破線の流れ上のポンプ直後の点(圧力p^+、速度V)と境界3-4上の点においてベルヌーイの定理を適用すると

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ここでポンプによって流体は加圧されているので前後の点ではベルヌーイの定理が適用できないことに注意してください。式(6)-式(5)と式(4)より

f:id:bloodystream:20210602063311p:plain

ポンプが噴射によって流体に加える力R(右向き)はこれより

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となります。U2、U3を求めるための準備はここまでで終わりですが問い(5)で代入するだけで終わるようにするためにポンプがする仕事W2も求めておきましょう。

 

下図のようにポンプがある細長い流路を検査体積とします。

f:id:bloodystream:20210602063443p:plain

検査体積内のx方向の運動量の法則はポンプに流入する体積流量をQとすると流路出口の圧力および流速がそれぞれP2、U3となることから(破線の流れの損失と平板間の境界層が無視できるので)

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なのでRは

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式(8)とこれを連立すればQは

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となります。ここで

f:id:bloodystream:20210602063942p:plain

を考慮するとVは

f:id:bloodystream:20210602064020p:plain

となるのでポンプが単位時間にする仕事W2は

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となります。

 

次に赤の破線で囲んだポンプ部を含まないような検査体積について運動量の法則を考えます。

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境界1-2から検査体積内に流入する運動量のx方向成分は

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境界3-4から流出する運動量のx方向成分は

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境界7-8から検査体積内に流入する運動量のx方向成分は

f:id:bloodystream:20210602064751p:plain

物体が一定速度で移動するためにはポンプが噴射によって流体に与える力と流体の流れによって物体が受ける力が等しくなる必要があります。つまり、このとき物体が流体から受ける力はR(右向き)となり、流体が物体から受ける力は作用反作用の法則より-R(左向き)となるのでx方向の運動量の法則は

f:id:bloodystream:20210602064850p:plain

となります。ただし、ここで境界3-4の圧力は一様と仮定してよいという条件からP2を採用しました。ここで式(8)よりP0-P2は

f:id:bloodystream:20210602064940p:plain

なので式(15)は

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ここでこの物体が一定速度U0で移動するためには問い(3)より

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の力が必要ですが、この問いではポンプがこの力Fの役割をすることによって一定速度で物体が運動するのでポンプが流体に与える力はFと等しくなります。つまりRは

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となります。ここで連続の式より

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が成立するのでU2

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これと式(18)を式(17)に代入して整理すれば

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が成立します。これをU3>0に注意してU3について解くと

f:id:bloodystream:20210602065430p:plain

これを式(20)に代入すればU2

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(5)ポンプがする単位時間にする仕事を求める問題

cが

f:id:bloodystream:20210602065839p:plain

のときU2およびU3の根号部分は

f:id:bloodystream:20210602065911p:plain

なのでU3は式(22)より

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式(3)よりU5-6は

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ポンプがする仕事W2は式(14)と式(18)より

f:id:bloodystream:20210602070101p:plain

なのでこれらを代入すれば

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となります。最後に参考程度にU2を求めると

f:id:bloodystream:20210602070150p:plain

となります。

 

一応(5)で根号が外れたからこんな感じでいいのかな?ポンプが導入されてからは正直よくわかりませんが一応自分の答えを記事として残しておきます。以上で今回の記事は終わりです。最後まで読んでくれてありがとうございました。

 


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