意識他界系大学院生のクソブログ

院試が終わったので体験談だったり解説をゆったりと書いていこうかなと思っています。院試関係ない日記も書きます。

【院試対策】伝熱工学のおすすめ専門書と勉強法

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どうもSNです。流体力学のおすすめ専門書と勉強法

の続きです。伝熱工学はまず出題しない大学院が多く、四力精選で扱われていません。もしも志望する大学院が伝熱を出題する場合は四力とは別途で対策する必要があります。この記事では伝熱工学が院試で必要な人のために伝熱工学のおすすめ専門書や勉強法を紹介します。

 

 

院試の伝熱工学はこんな感じ

なんといっても重要なのは伝熱の基本3形態(熱伝導、熱伝達、ふく射伝熱)です。このうちふく射は比較的出題されていない印象がありますが、熱伝導と熱伝達はよく(というか必ず)出ています。東大院を受ける人はこれらに加えて絶対できるようにしておくべきなのは熱エネルギーバランスです。問題の流れとしては検査体積を設定し、熱の流入・流出を考えて微分方程式を立式するものが多いです。これができるようになるには練習が必要です。最初はよくわからん!と思いがちですがパターンはある程度決まっているので対策をすれば基本的に大爆死はしなくなると思います。あとはヌセルト数などの無次元数の意味などの細かい知識を押さえておけば基本的に院試範囲は一通り網羅できるはず。

 

おすすめの参考書

勉強方法については記事の後半で触れるとしてさっそくおすすめの専門書をいくつか紹介します。上にあるものほどおすすめです。

図解伝熱工学の学び方

まずは図解伝熱工学の学び方です。個人的にかなりおすすめの本です。図解というだけあって図が豊富で、著者のメモや図への注釈なども適宜設けられており、非常にわかりやすい本です。その他の優れている点としてヌセルト数やレイノルズ数などの無次元数に対して定義だけでなく物理的意味もしっかり書かれていること、伝熱に必要な数学的知識(積分法や微分方程式の解法など)を前提とすることなくその都度軽く触れてくれるため、数学的な知識が充分に備わっていない人でも読み進められるようになっていることが挙げられます。以上の点から伝熱工学の入門書とは最適の本だと思います。個人的にはかなりおすすめの本です。大事なことだから二回言いました。

伝熱工学(東京大学出版会)

東京大学出版会から出ている伝熱工学です。東京大学の伝熱の講義で使われている本らしい。東大の大学院受けるなら持っておいても損はない。内容は境界条件の考え方とかとにかく過不足なく書かれていてめちゃくちゃ詳しいです。これだけで伝熱は網羅できるんじゃね?と思います。特にふく射伝熱の辺りとかクソほど詳しくて感動しました。ただ、個人的には伝熱なんて何もわからん!という状態の人が本書から学び始めると結構難しいと思うので他の本をこなしてから取り組むといいと思います。僕は他の本である程度内容を掴んでから発展として本書を読むって感じで使ってました。内容は素晴らしいですが入門書として使うには少し難しくておすすめできないと思ったのでこの順番にしました。

伝熱工学(上・下)

ただの神本です。熱伝達の章は結構読み込んだ記憶があります。海外の名著を和訳したもので内容もめちゃくちゃ詳しく、わかりやすいので伝熱をしっかりと学ぶならめちゃくちゃおすすめできる良書です。一番おすすめしたいレベルの本ですが、上下巻に分かれていて2冊揃えると7000円以上と非常にお高くなるのでこの順位にしました。章末の問題の解答も問い合わせれば別途に購入できますが、それも合わせると10000円近くなるのがネックです。ただし解答とセットで購入すれば問題演習もできて更なる神本と化すのでお金に余裕がある方にはめちゃくちゃおすすめしたいです。

JSMEテキストシリーズ

本サイトではおなじみのJSMEシリーズです。カラー刷りで見やすく、値段も比較的安いのでコスパは◎。しかし、本書は文章が多めで他のJSMEシリーズよりは少し読み進めにくく感じました。内容については結構専門的なことまで載っていますし院試範囲は問題なくカバーできています。説明も分かりにくいということはないですが個人的には図解伝熱工学の学び方の方がおすすめかな。ですが安く済ませたいという人は別にこちらを選んでもいいと思います。もし本書を選ぶのであれば同シリーズから演習書も出てるのでセットで持っておくといいかもしれません。

伝熱工学 第2版

薄くて読みやすい標準的な教科書です。伝熱の基本3形態など伝熱の基礎的な内容がコンパクトにまとまっています。巻末に練習問題の解答が載っているのも嬉しいポイント。工業上の実例なども載っていてわかりやすいので入門書としてはありだと思います。なにより2400円くらいと専門書にしては安いですしね。ただ、ふく射伝熱のあたりは少し不足気味なので他の本で補った方がいいかな。

 

勉強法

次に勉強法について書きます。

押さえておく点

伝熱工学で押さえておくべきポイントは伝熱の基本3形態(熱伝導熱伝達、ふく射)熱エネルギーバランス無次元数です。東大院を受けるなら確実に熱エネルギーバランスはマスターしておきましょう。H31年まで過去問を確認すればわかりますが近年もH26年から毎年出てます。出まくってます。熱エネルギーバランスができるようになれば少なくとも伝熱で大爆死することはなくなる可能性が高いです。

ふく射は一応挙げましたが院試のことを考えるとこの中では比較的優先度は低めです。

以上のことを踏まえて東大院を志望している人におすすめしたい勉強の順序としては

熱伝導→熱伝達→熱エネルギーバランス(ここまでやれば十分戦える)→無次元数→ふく射

って感じかな。東工大の場合は熱エネルギーバランスと無次元数を入れ替えてもいいかもしれません。東工大の方が無次元数とかについて細かい知識的なところが要求される印象があるので。

具体的な勉強法

押さえておく点を踏まえたうえで具体的な勉強方法について書きたいと思います。

基本的には専門書を読んで過去問に取り組むという形でいいと思います。熱エネルギーバランス以外の知識を定着させるには東工大の過去問で演習することを個人的におすすめします。東工大の伝熱工学は小問集合的な感じの出題が多く、ほんとに教科書レベルの基礎的なものも多いので参考書を読みこんでから取り組むとかなり基礎的なところが定着しやすいと思います。

熱エネルギーバランスだけは東大院の過去問で練習するのが一番です。本ブログでも熱エネルギーバランスを使う問題をいくつか解説しているので参考にしてください。特に3つ目の記事の問題は熱エネルギーバランスって結局何してるのかというイメージがわきやすくていい問題なので取り組んでほしいと思います。

 

 

 

 

伝熱工学は四力精選のような定番の院試用の演習書がないので演習量が不足しがちです。不安だからもっと演習したいという人は金がかけられるのであれば上で紹介した伝熱工学(上・下)を解答とセットで購入して章末問題で演習すれば演習量を稼げます。もし金をかけたくないという人は伝熱工学(上・下)以外の上で紹介した専門書を読んで知識をインプット→過去問でゴリゴリ演習をひたすら繰り返してなんとかしましょう。

 

伝熱工学に関してはこんなところかな。長々とまとまりのない記事になりましたが最後まで読んでくれてありがとうございました。

 


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