意識他界系大学院生のクソブログ

院試が終わったので体験談だったり解説をゆったりと書いていこうかなと思っています。院試関係ない日記も書きます。

【院試解答】東大院機械工学専攻H29流体力学

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今回は東大院機械工学専攻平成29年流体力学を解説したいと思います。 ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。 なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。 問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。それではさっそくやっていこうと思います。

 

 

解答するのに必要な知識

・ゲージ圧

ベルヌーイの定理

・運動量の法則

・ハーゲン・ポアズイユ流れ

・流量と流速分布の関係

・管摩擦係数の式

・損失を含めたベルヌーイの定理

 

解答本文

(1)力のつり合いを考えるだけの問題

円管出口のゲージ圧p1は

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となるので力のつり合いよりF0は

f:id:bloodystream:20200808025914p:plain

(2)ベルヌーイの定理を用いる問題

図2-2のとき円管出口における圧力は大気圧と等しいとみなせるので大気圧をpaとして水面と円管出口の間でベルヌーイの定理を適用すると

f:id:bloodystream:20200808030109p:plain

となるので円管出口の流速は

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と求まります。

(3)運動量の法則を用いる問題

下図のように検査体積をとります。(破線が検査体積です。図が雑でごめんね…)

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物体が噴流から受ける力をN(右向き正)とすると、流体が及ぼされる力は-Nとなるので噴流方向についての運動量の法則は

f:id:bloodystream:20200808030434p:plain

となります。これよりNは

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物体が静止するにはこれと大きさが等しい逆向きの力を加えてあげればよいのでF1は

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となります。

(4)圧力の最大値を求める問題

物体表面において圧力が最大になるのはよどみ点です。なぜなら動圧がすべて静圧に置き換わる点だからですね。よどみ点と円管出口においてベルヌーイの定理を適用して(2)の結果を用いて変形するとPmaxは

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となります。

(5)動く対象物に対して運動量の法則を適用する問題

時間が十分に経ち物体の速度がV(右向き)に達したとする。下図に示すような物体とともに右向きにVの速さで進む検査体積をとり、これに対して相対的に考えると流入する相対流量は

f:id:bloodystream:20200808031243p:plain

 となります。

f:id:bloodystream:20200808041344p:plain


物体が噴流から受ける力をR(右向き正)とすると、流体が及ぼされる力は-Rとなるので噴流方向についての運動量の法則は

f:id:bloodystream:20200808031411p:plain

これよりRは

f:id:bloodystream:20200808031515p:plain

と求まります。一定速度Vで運動する時は力のつり合いが成り立っているのでR=F0が成立します。(1)のF0と上で示した

f:id:bloodystream:20200808031515p:plain

をこれに代入すると

f:id:bloodystream:20200808031804p:plain

となるのでVは

f:id:bloodystream:20200808031843p:plain

となります。

(6)流速分布から流量を求める問題

円管内の任意の断面における体積流量Qは

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となるので平均流速はこれを断面積で割ってあげると

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となります。体積流量Qの式の意味はこの記事を見てください。

(7)円管流れの管摩擦係数を求める問題

この問題はこの記事の後半の違ったアプローチの方で楽に(?)解けます。答えを示しておくとλ0は

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となると思います。

(8)損失を考慮したベルヌーイの式を用いる問題

水面と円管出口の間に損失を含めたベルヌーイの定理を適用します。円管出口の流速を

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とするとこれは

f:id:bloodystream:20200808032540p:plain

となるので円管出口の流速は

f:id:bloodystream:20200808032630p:plain

となります。ここで(3)と同様に考えて力F2を求めると

f:id:bloodystream:20200808032746p:plain

となるので(3)より求める比は

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となります。

(9)動く対象物に対して運動量の法則を用いる問題その2

物体とともに右向きにv(t)の速さで移動する検査体積をとり、これに対して相対的に考えると物体が噴流から受けるF'は

f:id:bloodystream:20200808033100p:plain

とすると(5)と同様に考えて

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となります。このとき物体の運動方程式

f:id:bloodystream:20200808033250p:plain

となり、これを変形すると以下の式が得られます。

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この微分方程式積分定数をCとして両辺を積分すると

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これをv(t)について解くと

f:id:bloodystream:20200808033501p:plain

ここでt=0のとき物体は静止しているのでv(t)=0です。この初期条件によってCを決定するとCは

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となるのでv(t)は

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となります。

(10)動く対象物に対して運動量の法則を用いる問題その3

十分に時間が経った後の速度をV'として(5)と同様に考えると物体が噴流から受ける力F4は

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一定速度となるので力のつり合いF3=F4が成立するので

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となります。これをV'について解くと

f:id:bloodystream:20200808034100p:plain

となります。

 

以上で問題は終わりです。いやーなかなかにやることが多いというかしんどい問題だなあと思います。(6)、(7)にはハーゲン・ポアズイユ流れが出てきましたね。地味に出てくるのでしっかり抑えておいておくといいです!よかったら以下の二つの記事で取り上げてるので読んでください!

 

ハーゲン・ポアズイユ流れ①(速度分布を3通りのやり方で求める)

ハーゲン・ポアズイユ流れ②(管摩擦係数の式まで)

 

 


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