今回は東工大院機械系専攻平成28年流体力学の大問2を解説したいと思います。
ガバガバなところがあったり間違っているかもしれませんが解答の参考にしてください。
なお問題をそのまま載せるのは権利の都合上まずいと思うので載せません。
問題が欲しいという方はコメントするかtoriatama321@gmail.comに連絡してください。
この問題を解くのに必要な知識
・連続の式
・流量と流速分布の関係
・ニュートンの粘性法則
・クエット・ポアズイユ流れ
解答本文
それではさっそくやっていこうと思います。
(1)ナビエ・ストークス方程式を立式する問題
まずは連続の式
を考えましょう。圧力勾配が一定なのでこの流れは発達した流れです。よって
となります。これと式(1)より
となるので以上よりvはこの流れ場のあらゆる場所で一定とわかります。壁面ではv=0という条件と合わせて考えればあらゆる場所でv=0となりますね。これらよりx,y方向のナビエストークス方程式はそれぞれ
となりますね。
(2)微分方程式を解くだけのサービス問題
まず式(2)の両辺をyで積分していくと
が得られます。境界条件y=0でu=0なのでC2=0、y=hでu=Uより
となるので式(3)と式(4)はそれぞれ
となります。
(3)流量を流速分布から求める問題
流量qは
です。これに式(6)を代入して計算すると
となります。
(4)ニュートンの粘性法則よりせん断応力を求める問題
ニュートンの粘性法則よりせん断応力τは
で得られます。これに式(5)を代入するとτは
となり、上側の板に働く壁面せん断応力は式(8)においてy=hとすれば
となります。
(5)流量をΔpの関数で表す問題
この流れにおいて圧力勾配dp/dxは負になります。Δpは0以上より
の関係が成立します。これを用いてqをΔpの関数に書き換えると
なのでQはこれに奥行き方向の円筒の長さZをかければ
となります。
(6)最大流量を求める問題
ここと(7)はちょっと自信ないですが一応考えたことを書いておきます。
式(11)よりQはΔpの関数であって傾きが正の1次関数なのでΔpが大きいほど大きくなりますね。Δpは
としか書かれていないのでこのままでは式(11)の最大値を決定することができませんね。最大値を決定するにはΔpの取りうる最大値を求めてあげる必要があるわけです。ここでΔpが最大値の時ってどういう状態かを考えてみるとせん断力と圧力勾配による力のつり合いが成立している状況といえると思います。(これよりもΔpが大きくなってしまうと力のつり合いが崩壊して発達した流れでなくなってしまうと考えました)
力のつり合い式を立てるためにまずは壁面におけるせん断応力から求めてみましょう。下側の板に働くせん断応力は式(8)においてy=0とし、式(10)の関係を用いて書き換えれば
となります。 また上側の板に働くせん断応力は式(9)を式(10)の関係を用いて書き換えれば
となりますね。これらにπDZをかければせん断力になります。
次に圧力差による力ですがこれは簡単でhZΔpになります。以上の値をせん断力と圧力差による力のつり合い式
に代入してΔpを求めると
となります。これがΔpの最大値なのでΔpの定義域は
となります。よってQの最大値Qmaxは
のときで式(11)よりその値は
となります。
(7)出力仕事の最大値を求める問題
まずは定義にしたがってLを計算すると
となりますね。これは二次関数なので平方完成すると
この二次関数は
の範囲を見ると単調増加する下に凸な放物線ですね。よってLが最大となるのはまたもや
のときで当然このときのQはQmaxに等しいので
となります、多分、、、流量多い方が取り出せる仕事大きそうだし大丈夫だと思う、、、
一応Lmaxとやらを式(13)から求めとくと
となります。
(8)ただのサービス問題
Uは円運動の周速度に一致するので
となります。これを
に代入すると
となります。
(9)回転に必要なトルクを求める問題
が成立するのでTは
となります。
とりあえずざっと解いてみました。(6)と(7)に関してはあんまり自信がないです。
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